2008年 08月 07日
東京坂道百景 その8「庚申坂」
全国各地にある「庚申塚」はその名残りなのでしょう。庚申坂もいろいろなところにあるようですが、この坂は文京区小石川近辺にある、急勾配の、私好みの坂となっております。
本当は、この坂の反対側、丸ノ内線のガードをくぐったところにある「切支丹坂」という坂のネーミングに興味があり、探索してみたのですが、だらだらとした、あまりオモローな坂ではなかったため、こちらの坂の写真を採用、とすることにしました。
はるか昔、このあたりで、悪事を天に知らせたくないと思う人々が、冷や冷やしながら夜を徹して酒盛りをしていたのだと思うと、ちょっと楽しい気持ちになってきます。
あっ、私も庚申信仰をしているひとりです。だから毎日、日が昇るまで酒盛りをしているわけですね(笑)。
あっ、別に庚申の日限定、ってわけじゃないか。撃沈。
しかし、この辺り、昔は木々がうっそうと茂っていて、そうとう気味の悪い坂道だったようです。しかも、文豪たちはこの坂を「切支丹坂」と勘違いしていたようで、木下順二「本郷」、夏目漱石「琴のそら音」、志賀直哉「自転車」にも、この切支丹坂(ホントは庚申坂)が登場してくるようです。読んだことはありませんが(苦笑)。