2008年 03月 07日
伊勢屋の謎 Part2
普段和菓子などほとんど買いませんからね、店の前はいつも素通りなのです。しかし「伊勢屋の謎」をなんとか解明しようと思い、インターネットで調べた最寄りの「伊勢屋」は桜新町にある、よし、行ってみよう、と思っていた矢先だったので、こりゃラッキーとばかりに、店内潜入を試みたのでした。
一応、客のフリをしてきんつばやらを購入し、包装してもらっている間に「和菓子屋さんって、伊勢屋って名前が多いんですね。これはチェーン店ですか」とおずおず聞いてみた私。
すると店のご主人、にこやかにお答えくださいまして、「チェーン店じゃなくて、組合みたいなもんですよ。元はね、もうなくなっちゃったけど、赤門(東大のことですね)の近くにあった伊勢屋がはじまりで、そこで修業をしていた人たちが独立して、次々に各地で伊勢屋という和菓子屋を作っていったんですよ」とのことなのでした。
なるほど、そういう理由でしたか! 関東地方だけに伊勢屋が多いのも、そういう理由だったのですね。目からぽろぽろと鱗が落ちてきました。
「組合」である証が上の写真です。この看板がある店が、由緒正しい伊勢屋であるということなのだそうです。いや、別のルートで伊勢屋と名乗る和菓子屋さんも存在すると思うので、由緒正しい、というべきかどうかはわからないのですが。
だから、伊勢屋さん同士ではアイテムとか値段設定とか、共通している部分もあるのですね、きっと。今回購入した和菓子の袋には、三軒茶屋店や桜新町店の住所も印刷されており、どうもこの店たちは近場で結託して工場を同じところに構え、チェーン店化しているようでした。
ただ、赤門の近くにあった店の主人がどうして伊勢屋と名乗ったのかはわからないのだそうです。もしかしたら、ルーツをとことん探っていったら、伊勢の赤福にたどり着いたり、姫路の「伊勢屋本店」にまでたどり着くのかもしれません。
一度、伊勢屋に限らず、こうした「店名の謎」を解明しようと、大々的にお店にも取材が来たことがあったそうですが、それがどういう媒体で発表されたのか、結局解明されたのかどうかはわからないらしいのです。ちょうど別件があったので図書館でいろいろ調べてみたのですが、それらしきものは発見できませんでした。残念。
ちなみに伊勢屋で修業をして独立をしていった方たちには、新潟出身の方がとても多いのだとか。「新潟の人は我慢強くて、辛抱強いからね」とご主人はおっしゃるのですが、和菓子職人というのは、そんなに我慢が必要な仕事なのかな、なんて思ったりもしましたが(あんこを練るのにそうとうな力が必要なのかな。笑)。
せっかくだから、購入した和菓子を堪能。
正直言って私、和菓子よりは洋菓子のほうが好きなのですが、……んー、最近の和菓子はだいぶ甘さを抑えてあるのか、平気でペロリといただけました。
手前のお菓子はきれいな色をしていて思わず買ってしまったのですが、中にリンゴと白あんが入って、和洋折衷といった感じの一品でした。どうもごちそーさまっす。
伊勢屋の謎は解明しました。今度は「来々軒の謎」を解明する旅に出ようと思っています(中国まで? ホンマかいな)。
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きんつば大好き、おいしそ。でもね、私も先日来手土産に頂いた和菓子1箱を夫と食べたのが原因か、なんと2kgも太ってしまい、土曜日に久しぶりにスーツを着るので心配です。。。。
木村屋のパン屋というのも多そうですね。でも、ちゃんと修業してのれんわけをしたのでなく、単なる便乗、という店も多そうです。