新宿の外れ、といった感じの場所にひっそりと佇む「多満川」という呑み屋。
いや、呑み屋といっては申し訳ないくらいの、料亭風な店構え(いや、料亭も併設してるのが正解なのかな)。短いながらも急な坂道(階段)の横にあるという、坂道好きの私にとって絶好のロケーション。
もうそれだけでノックダウンですが、「せんべろ教」の信者(あっ、これは千円でべろべろに酔っ払える店をこよなく愛する者の宗教団体。ウソ)としては、ちょっと敷居が高いような、果敢に入店しようとしても結界が張られて弾き飛ばされてしまうのではと一抹の不安を覚え、近寄ることも躊躇してしまうのですが、このお店をご愛顧している会社女子の後ろに引っ付いて、どさくさ紛れに入店、成功です。
まず、この「お通し」。
お正月のご馳走か、と思うくらいの豪華さ。しかしこれが「お通し」なのです。
素材の味を活かした、そして日本酒のアテにぴったりな和のおつまみばかりです。
品がよろしくないとは分かっていても、どこからいただこうかと迷いに迷い、プチパニックになって、つい「迷い箸」をしてしまいます。
そう、今宵のテーマは、この「まぼろし」という広島の日本酒、新酒をいただこうというテーマなのです。
あっ、新酒といってもこのお酒、あえて二度の夏を越えて熟成させ、さらになめらかに、さらに口当たりがよくなったものなのです。
なるほど、さーっと喉を通る飲みやすさではあるものの、決して「水の如し」ではなく、日本酒の味わい、柔らかさがしっかり感じられます。
これは「ヤバい酒」です。
なかなか東京では味わえないらしく、プレミアもののお酒なのですが、このお店を馴染みにしているからこそ、手に入ったよ〜とお店の方にアナウンスしていただけたというわけです。
感謝(^ ^)。
料理も、ひとつひとつがもれなく素晴らしく、日本酒に合う魚たちが次々に運ばれてきます。
秋刀魚、雄の柳葉魚、松茸入りの茶碗蒸し、生牡蠣……。
んー、幸せです。
いつもこんな贅沢をしていたら、そのありがたみは感じにくくなってしまうのでしょう。「たま」だからいいのですね。
普段ホッピーと煮込みばかりですからね、たまにはこういう贅沢をしても許されるとは思うのです(^ ^)。
あっ、いやいや、ホッピーも煮込みも、我慢していただいているわけではありません。大好きですがね(^ ^)。
ああ、でもそれほどお値段は高くなかったです。
普段の大衆酒場、2.5回分、といった感じ。もちろんサービスしていただいたと思いますがね(^ ^)。
また行けるように、仕事、頑張りましょう。