2011年 09月 01日
サウスポー 私 左利き
巷ではピンクレディーブームが再び吹き荒れ、彼女らは全国ツアーを敢行し、人々はカラオケ屋でも、パチンコ屋でも、こぞってかつてのヒット曲を歌い、踊りまくるという昨今です(えっ、それほどでもない? オレ及びオレの周りだけの話?)。
私もつい最近、ピンクレディーのライヴを観てきました。とても楽しかったのですが、どういうわけだかどうしようもない違和感が残り、どうもあれは本物のピンクレディーではなかったという話を、後から聞きました(大笑)。
ということで、最近の「深夜のYouTube鑑賞」は、決まってピンクレディーです。
いま聴いても、決して色褪せることのない楽曲、芸術ともいえるほどの見事な振り付け。当時、毎日のようにピンクレディーを観ることができた我々世代は、とても贅沢な時代を生きて来れたと思わずにはいられません。
そして、あらためてじっくりと曲を聴いてみると、メロディーももちろんですが、詞の素晴らしさに感服するのです。
一見子ども向けに作られたような歌詞でありながら、その奥に、作者である阿久悠先生の深い深い思想、願いが込められているのだと、大人になって発見する今日この頃。
ある歌謡曲評論の本に、「ピンクレディーの歌は、弱者あるいはマイノリティーに対する応援歌だ」と分析したものがありましたが、なるほど、「サウスポー」しかり、「モンスター」しかり、「ジパング」しかり、そのように聴いてみると、時代を超越した「永遠のテーマ」が見えて来たりします。これが、21世紀になった今でも、愛され、歌い継がれている魅力のひとつなのだな、と思ったりもします。
うーん、やっぱり阿久悠先生は天才ですね。
ラストシングルとなった「OH!」という曲も、今聴いてみるとじんわり、じんわり、その素晴らしさが伝わってきます。
唇をおさえても、その胸を閉じても、ときめきの、喜びの、はじらいの、感激の「OH」は、あなたをきらめかせ、物語る……。
どんなにつらくても、苦しくても、心の奥の奥は、いつでも「感動」を求めているのが「人間」なのです。だから、人間である限り、自分の心の中に宿る「感動したがり屋」を、いつまでも大切にしなくちゃいかんなあと、つくづく思うのです。
「二年目のジンクス」という、最初の再結成のときに作られた歌も、聴けば聴くほど「いい歌だなあ」と思う曲のひとつです。
努力に努力 進歩に進歩。……えっ、聞いてますか? そこのアナタ!
あっ、言葉がそのままこだまして返ってきました(苦笑)。
で、やっとタイトルの「サウスポー」云々ですが、実は、あの大ヒット曲「サウスポー」は「TAKE2」で、最初に出来た曲を作り直しして発表されたものだったのだそうです。
そんなことを紹介した番組があったのですね。知りませんでした。
それで、そのTAKE1を聴いてみたのですが、……うん、TAKE2にして正解だったな、というのが正直な感想。まあ、あの当時だったらどんな曲でもそこそこヒットしたとは思いますがね。
なるほど、彼が言うように、今流布している曲に比べると、やはり作り直して正解だったなと思いました。面白い話をありがとうございました。