歩いても 歩いても、どんだけ歩いても

最近は、なかなか忙しくて観る機会がなかった評判の映画を、片っ端から観ている毎日です。以前「歩いても 歩いても」という映画を、友人から「お前もTOKYO迷子ウォーカーなどと名乗っているのだから、この映画は観ておかなきゃダメだろ」と言われた記憶があって、真っ先にチョイスしてみたのですが……。
確かこの映画、オダギリジョーが東京中をウォーキングする映画だったような気がするのですが、なぜか主演は阿部寛で、オダギリジョーなど姿形もありません。
そして、一向に東京を歩く気配などなく、京浜急行の追浜あたりの風景が延々と映されているのです。
で、ようやくオダギリジョーの映画は「転々」というタイトルであったことに気がつきました。相変わらずのへっぽこ頭でございました(苦笑)。
そんなこんなで私の「映画月間」は、とんだ波乱の幕開けではありましたが、せっかくなので、以下、私が最近観た映画DVDのタイトルと、ちょっとした(辛口)感想を。
「歩いても 歩いても」……日常の、どこの家でもあるような一日を丁寧に切り取った、というような映画。しかし、私と同じくらいの世代で、親孝行をしたくてもなかなかできない、と心の隅でいつも引っかかっている人にとってはたまらない映画、かもしれません。
それにしても樹木希林という女優さんは、なんて上手なんだろうと改めて認識。
「転々」……オダギリジョーが借金返済のために、三浦友和と東京中を歩き回る話(なんのこっちゃ、と思うかもしれませんが、そういう話なのです)。
東京の、たくさんの景色が美しく描かれていて、ウォーカーの私にとっては楽しめた映画ではありましたが、内容はあんまり……。
意外と(と言っちゃあ失礼ですが)三浦友和は上手だなと思いましたがね、そうそう、小泉今日子もなかなかよかった。
「フラ・ガール」……評判通り面白い映画で、ずっとワクワクしながら観ていました。「三丁目の夕日」常磐編、といったところかな。南海キャンディーズのしずちゃんの演技が絶賛されたと記憶していますが、確かによかった。でも、これはしずちゃんの元々のキャラクターが活かせれば、それで成功、といったところではないかと思いましたが。
「陰日向に咲く」……不器用にしか生きられない人達を、とてもやさしい視線で描いているのが好感持てる映画でした。
しかし、ストーリーはあまりにも偶然が重なり過ぎ。「ありえないっ」と思わず突っ込みたくなるシーン満載です。
あと、西田敏行の「演技してますよ〜私、熱演でしょう〜お客様」的な演技は、昔から私は苦手。いちばんよかったのは、平山あやの「トウが立ったアイドル」役、だったな(笑)。
「かもめ食堂」……なんだかよくわからない映画だった。特に感動もなし、淡々と時間が過ぎていく映画。しかしこういう映画を「いい」と言わないと、映画通とか「ナウい」(笑)とか認めてもらえないのかなあ、などと思ってみたり。
まあ、食べ物がおいしそうに出てくる映画、ではありましたよ。それと片桐はいりのエラの健在ぶり(笑)を確認するにはとてもいい映画(なんのこっちゃ)。
「マンマ・ミーア!」……ああ、観なきゃよかった。おすぎの言うことを信じていればよかった(笑)。
ミュージカル映画特有の「高揚感」というものが全然感じられず。ああ、もともとオレ「メリル・ストリープ」って昔から苦手なんだよな。
「よよよ」と手で顔を覆い泣き崩れながらも、指と指の間から、こっそり男の股間を覗いているような女優、ってイメージありませんか?
あっ、オレだけ? どーも失礼しました。
「ミスティック・リバー」……クリント・イーストウッド監督の映画。子どもの頃の仲良し3人組がある事件に巻き込まれて、やがて大人になって……と、「スタンド・バイ・ミー」みたいな映画なのかな、と思ったらとんでもなかった。
救いがない、これでもか、というほど暗い映画で、なんだかどんよりとした気分に陥ってしまいました。
「ドリームガールズ」……これは、友人とくっちゃべりながら観ていたため、ストーリーもよくわからず、といった状態。
まあ、助演女優賞の役者さんは上手かった、というぐらいはわかったかな。今度もう一度しっかり観ることにいたしましょう。
……、と、ざっとこんな感じでした。まあ、いろいろと辛口ではありましたが、昨今の日本映画は、以前と比べたらグレードはずいぶん上がったと思います。まだ見逃した映画をたくさん観て、「ポスト晴郎」を目指そうかと思っているところ(ウソ)。
ところで「歩いても 歩いても」という映画のタイトル、実はこれ、劇中に出てくる、ある昭和歌謡のヒットソングの歌詞からとったものなのですね。
さて、なんという歌か、わかりますか?
「歩いても歩いても」はいしだあゆみさんが歌っていた例の歌ではないでしょうか?
はい、いしだあゆみの歌、正解です。さすが!
あ、それと、水野晴郎さんは私の親友の結婚式でお会いしました。親友の旦那様のいとこだったのです。「風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブルばりの白のスーツに赤いシャツで、スピーチされましたっけ。