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山田喜代春「絵日記 万歩のおつかい」

c0135618_21333572.jpg 私が「京都の兄」と慕い続けて20年。京都在住の詩人で版画家、山田喜代春氏から新刊本「万歩のおつかい」が届けられました。

 私と山田氏との出会いは、私が20代半ば、まだ悪魔に魂を売ってなかった(苦笑)頃。図書館で氏の詩画集「ぼくはコペルニクスだ」をたまたま手にし、ぺらぺらとページをめくっていくうちに、そこから離れられなくなってしまったのでした。

 素朴で、ほんわかした気持ちになれる版画やイラスト、そして、肩の力がすーっと抜けていくような、それでいて元気を分けてもらえるような、とても心地よい読後感は初めてで、さっそく書店でこの本を入手。

頭ない 力ない 金ない だから質素に しています

いやなことは いっぱいあるよ やりたいことも 山ほどあるよ これでおあいこ

意欲のない人 よっといで みんなそろって ゴロ寝しよう

失敗の多い人や ダメな人を 許すことのできる おおきなこころをもとう
まずてはじめに ぼく自身を 許そう

悲しいときには 橋の欄干を けんけんで渡れ かなしみなんか ふっとぶぞ

 何度読んでも、眺めても、その感動は変わらず、思わず氏にファンレターらしきものを出してしまいました(ホントにその当時は純粋だったのねえ)。
 すると、後日なんとご本人から連絡をいただき、その版画のイメージと同じ、暖かい人柄に感動し、ぜひ一緒に本を作りましょうと話がまとまってしまったのでした。
 当時子どもの本の出版社に勤めていたのに「どうしてもこの人の本が出したい」と、上司を恫喝し(笑)、泣き落とし、なんとか「けんけん」という詩画集を出版することができたのでした。

 それ以来、私が京都に行ったときは必ず会わせていただき、氏が東京で個展を開くときは必ず伺い、というおつきあいをさせていただきました。
 そして今回の新作は、氏の集大成ともいえる作品集になっていて、版画あり、イラストありの、ボリュームたっぷり、読み応えのある内容でした。
 新しい詩の中で、特に好きなものをちょっとご紹介。

自分を好いてくれる人が五十人 嫌がる人が五十人
好いてくれる人あとひとりひがそう

子猫を胸に抱いた托鉢僧は 片手で布施を受けました

ぼくの人生凸凹で その凹に酒をそそいで あかるいうちから飲んでいる      (見られたのかな? 笑)

ぼくの指は純潔です いちども指輪をはめたことはありません
でも遠い日の 「赤い糸」の痕跡は かすかに残っています    (やっぱり見られてるな 笑)

 不思議なもので、私、若い頃は氏の「応援歌」的な詩が好きだったのですが、年齢を重ねるにつれて、自虐的な、思わず笑ってしまうような詩がとても好きになっているようです。これは私の「成長」なのか、「堕落」なのかは、ちょっと考えないようにしようと思いますが……(苦笑)。

 機会があったら、ぜひ読んでみてください。書店でも置いてあると思いますが、注文しないと手に入らないかもしれません。

 「絵日記 万歩のおつかい」山田喜代春
定価 本体1400円+税 発行 株式会社わい・アート/ワイアートギャラリー
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by yochy-1962 | 2011-05-14 11:26 | 文学・芸術 | Trackback | Comments(2)
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Commented by kerontamama at 2011-07-13 14:41
この本は本屋さんに行ったらありませんでした。
どうしたら買えますか?
Commented by yochy-1962 at 2011-07-14 02:12
ありませんでしたか。やっぱり(苦笑)。
版元とタイトルをしっかり告げれば、注文で来るかと思いますが、ダメだったら、直接版元に連絡して購入できるかと思いますよ。