2009年 07月 05日
月影先生の病状
で、一心不乱に頭のでかい子どもたちのイラスト(笑)を描いているとばかり思っていた姫さんが突然、「ところで月影先生ってどんな病気なの? 」という質問を私にぶつけてきたのでした。きっと、忙し過ぎて頭の中がショートしてしまったものだと思います(笑)。
しかし、そういえばそうだなあ。しょっちゅう胸を抑えて倒れ込んで、何度も危篤状態に陥っていながら、「紅天女を上演するまでは死ねない」という執念ただひとつでゾンビのように復活している月影先生(あ、当然ご存知だと思って話を続けていますが、これは「ガラスの仮面」というマンガの中のこと、ですね)ですが、何の病気かはいっさい触れられていないような気がして、明日朝早いというのに私、単行本(現在43巻まで刊行中)が入った大袋をひっくり返して、確認してみることにしたのでした。私も何かがショートしてしまったみたいです(笑)。
答えは案外すぐに見つけることができました。
最初に月影先生が倒れたのは、「劇団つきかげ」の第1回公演が、速水真澄の陰謀によって「見事な失敗作」と酷評され、憤慨したあげくに胸を抑えて倒れたシーンでした。
そこで月影先生が「心臓病」だということが書かれてあったのですが、それが「狭心症」なのか「心臓弁膜症」なのか、あるいは「慢性心筋梗塞」(そんな病気があるか)なのかは、いっさい触れられていませんでした。
月影先生、病気で倒れる前までは、煙草なんか吸っちゃっているんですよね。意外と不良(笑)。
その後、何度か倒れたり入院したり、病院を抜け出してマヤの演技の稽古(人形の演技のためのギプスは圧巻)をしたりしたあげく、昏睡状態に陥り、医師から「覚悟をしてください」とまで宣告された月影先生ですが、「紅天女」という言葉が出た途端、「はっ」と目を覚まし、このような台詞をおっしゃるのです。これは「噂の刑事トミーとマツ」で、「トミコ!」と言われた途端にガラリと人格を変え、勇敢に敵に向かっていくトミー(国広富之)と同じカテゴリー、歌舞伎の形式美に通ずるものがあるとも言えます(なんのこっちゃ)。
で、月影先生、調子に乗って女優復帰なんかしちゃったりします。舞台中に胸を抑えて倒れてしまうなんてことが起きるのかとハラハラ・ドキドキでしたが、そんな余計なストーリー展開は不要ですから、当然の如く、このときばかりは体力勝負の舞台でも難なくこなしてしまいます(笑)。
しかし、やはり、というか帳尻を合わすかのように舞台後こんな状態に。まあ、月影先生には病気でいてもらわないとまずいのか、もしや病気が完治したら「やっぱり私が紅天女をもう一度演じることにした」という月影先生のわがままを封じ込めるためには、致し方ないことなのかもしれません(笑)。
いよいよマヤと姫川亜弓が正式に「紅天女」候補として認められ、月影先生は秘かに、独自に舞台を上演する準備を始めるのですが、ここでまた例の発作が起きてしまいます。ここで読者は、「ああ、まだまだガラスの仮面は続くのだな」という安堵、多少の失望の念を覚えることになるのです。
で、心電図がプツッとなれば、「ああ、いよいよ月影先生の命はここで…」と思ってしまうのが普通なのですが、やはり「紅天女」の言葉ひとつで、奇跡の復活。ここまでくると読者は、どんなことがあっても月影先生は絶対に死なない、という確信を持つようになってきます。
月影先生による、梅の里での「紅天女」実演。血を吐いているという状態なのに、あんな高いところに上っていって、アクロバティックな演技を人々にお見せするというスーパーウーマン張りの月影先生。っていうか、心臓病で血を吐くって……いったい、何の病気なのか、ますますわからなくなってきます。
「紅天女」を演じ終えた月影先生、いよいよこと切れてしまったかと思わせる瞬間だったのですが、このあとで月影先生、アンコールなんかに応えてしまっています(笑)。普通は、こんな状態になってしまったら、即、救急車でしょうが。
で、43巻現在の月影先生です。なんだかとってもお元気です(苦笑)。
医学の進歩で月影先生の病気はすっかりよくなり、舞台のライトが落ちてきてつぶれてしまったという顔も、整形手術ですっかりきれいになり、「やっぱり私が紅天女を演じることにした」という急転直下のストーリー展開ももしやあるのではと、冷や冷やしている(笑)2009年現在の私です。
ああ、くだらなーい話に最後までつきあってくれて、どうもありがとう(笑)。
こちらもごらんくださいませませ。
そんなことも思い起こさせるこのなぞの病魔ではありますね。
ずいぶん久しぶり、そう、何十年ぶりかで少女マンガを見せていただいた気がします。
私、弟2人なので、あの月刊誌「少年」の鉄腕アトムや鉄人28号、それに少年サンデー、マガジン、キングの愛読者でもあった(弟たちのを横取り)ので、明日のジョーなんかも連載リアルタイムで見ていたクチです。
少女マンガはたまに友人宅へ行ったときに覗き見ですね。
このマンガはすでに「少女まんが」の域を超えていると思われます。ストーリーの行方は国民的関心事。ってほどじゃないか。