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東京坂道百景 その9「夏目坂」

c0135618_2253988.jpg 最近の若い人の間では、夏目漱石の小説はあまり読まれないのだそうです。
 横書きの「ケータイ小説」全盛の昨今ですから、漱石の文章などすでに「古典」、あるいは「教科書に載っている面白くない話」なのかもしれませんね。
 私が高校生の頃は、誰もが「我が輩は猫である」「坊ちゃん」「三四郎」「それから」など珠玉の小説を、それこそ一心不乱になって読んだものでした。
 特に「こころ」。自分の中に眠る、とてつもなく醜い「エゴ」の心を露呈させてしまったがゆえ、終生悩む主人公の気持ちには大いに考えさせられたものでした。

 欲しくて欲しくてたまらないものがあったとしても、強奪してしまうほどの「情熱」を見せつける前に、最初から諦めてしまう。別にそれほど欲しくないよという素振りをしてしまうという、自分でも驚くほどの「かっこつけ」、「武士は食わねど高楊枝」を地でいっている私なのですが(あくまでも自称、ですがね。あっ、食い物に関しては、かっこつけもなにも関係なくなっちゃいますが)、なんとなくですが、この小説の影響が少なからずあるのかなあと思ったりもします。
 そうやって朽ち果てていくのも人生。孤高の詩人として文学に人生を捧げていくために、どんな不幸せも受け入れていく覚悟なのであります(きっぱり)。
 腹いっぱいの孤高の詩人というのがあるものか、という感じもしますがね(笑)。

 この「夏目坂」は、早稲田大学、そして「加賀屋早稲田店」すぐ近くから、東京女子医科大学病院方面へと伸びる坂です。
 この「夏目」とは、漱石の父で、この辺りの名主であった夏目小兵衛直克という人がいるのですが、人々がこの姓を坂につけて呼んでいたものが、一般的になったもののようです。夏目漱石の随筆『硝子戸の中』という作品にも、この坂のことが詳しく書かれているそうです。

 いつものように地図も持たずに、うろ覚えでこの坂を探し、汗びっしょりになりながら、ゆるやかなこの坂を上りきり、下りきった先にはなにがあるのかなあなんて思いながら歩いていたのですが、えーと、この金物屋って見たことないなあと思いながら交差点に出たところ、いつものウォーキングコースにたどり着いたことに気がつきました。
 いつも歩いている道なのに、別の角度から見ると、まったく違う道に見えたりするものですね。驚きです。

 まあ、人間も同じだったりするものですね。第一印象だけでは人間、わからないものです。くわばらくわばら。
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by yochy-1962 | 2008-08-13 23:36 | 東京坂道百景 | Trackback | Comments(8)
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Commented at 2008-08-14 16:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-08-14 16:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by myobento at 2008-08-14 21:47
最近は、教科書にも載ってないんですよ@夏目漱石。森鴎外はすでに教科書に載らなくなって久しいです。明治は遠くなりにけり、ですねぇ。
Commented by yochy-1962 at 2008-08-15 01:29
鍵さま コメントありがとうございました。よくここまでたどり着きましたね(笑)。あの店は、すでに昭和の時代になくなっています。どこかの系列店、という雰囲気の店でしたが、いまとなっては調べようもないです。
いろんな思い出がある店です。友人が酔っぱらって「君は赤道小町っ!」と叫びながら座敷を踊りまくったり、女友達が荒れちゃって大変だったり、オレは悪酔いしてつぎの店でゲロゲロしちゃったり……。若かったなあ、って感じです。
Commented by yochy-1962 at 2008-08-15 01:30
鍵さま その2 いいえ、違いますよ。
Commented by yochy-1962 at 2008-08-15 01:32
myobentoさま ああ、そういう話、聞いたことがありました。絶対に読むべきだと思いますがね。ゆとり教育も是正されるってことだし、また復活するのかも、なんて思ったりしますが。
Commented by kurashiki-keiko at 2008-08-17 01:51
学生時代に「雁」のレポートを書いたのをきっかけに森鴎外全集をなけなしの小遣いやら月給やらをはたいて買ったことがありましたが、結局は本棚の肥やし状態で、その後古書店へ売ってしまったと言うほろ苦い経験者です。
鴎外も漱石も、私の年代ならば祖父母の生きた時代?に近いのである程度は風物がわかるのですが、今の若い人には生活の様子だの物だのが想像もつかないようになってしまったのでしょうか。
もっとテレビドラマ化などされるともう少しは若者にも読んでもらえるのでしょうか。NHKあたりにお願いしたいですね。
Commented by yochy-1962 at 2008-08-18 22:12
kurashikiさま 最近、太宰治の「人間失格」だったかな、文庫本の表紙をマンガに変えたらバカ売れしたとかいうから、漱石の文庫本もちょっとは売れるようになるかもしれませんね。

by yochy-1962