2008年 04月 17日
哀しい恋の行方
でもそのコ、かわいいんだよ。なんだかさあ、はしゃぎっぷりがかわいくて、見てて飽きないっていうか、いままでそういうコってウザイと思っていたんだけど、まったく新鮮な出会いってヤツ? みたいな。
そんなコがメアド教えてって言うんだから。内心「キター!」なんて思うだろ誰だって。でもね、一応「こんなこと慣れてます」みたいな顔でさあ、赤外線通信ってヤツ、やったよ。
ちょっと手が震えたね。それに、なんかあれ、エッチだよね(笑)。あっオレ、いま確実に顔が赤くなってるぅ、なんて思いながら、携帯同士合わせちゃって……あれっ、上手くいかないでやんの。おいおい、どうしたんだ。
ドコモとauだから相性悪いのかな。でもどうしよう、ここで「はい残念でした」で終わっちゃうわけ? そんなあ。
「あっ、後でアドレス、こっちから送っておきますよ」……ありがとう、マスター。
で、送られてきたアドレスに、さっそくメールしたわけよ。
まあ、とりあえずは当たり障りのないヤツをね。何度も書き直しちゃったけどね。だってあんまりがっついた感じって、ちょっとみっともないじゃん? さらりと「こないだはどうもです」みたいな感じね。ああ、でもあんまりさらりとしてるのも印象薄いなんて思われちゃうからさあ、ちょうどいいヤツをいろいろ考えてね。
そうしたら、すぐに返事が来たんだ。ヤリー!
でも、「どうもー」って感じで、オレよりもさらりとしたメールだったけどね(笑)。まあいいか。速攻返事が来たってだけでも、脈ありだよね。
でも、それからはなんにも音沙汰がなくてさあ。どうしたもんだと思ってね。
食事でも? 映画とか? 誘ってみようかなんて思うんだけど、なんだかオヤジがガツガツしてるなんて思われるのもみっともないし、ここは余裕がありますみたいな感じで、次に店で会う日を心待ちにしておこう、なんて思ったんだけどね。
……来ないんだよ。その「次」が。
一週間経ち、二週間経ち。さすがに焦るよね。なんかちょっとでもコンタクト取らないと、ホントにオレ忘れられちゃうぞと思って、よし、メールしようと思ったわけよ。
「元気ですか」的な、ね。「今度会う日を楽しみにしてます」みたいな。
で、送ったよ、メール。
でも、来ねえでやんの、返事。
いっぱいメールが届いて、埋もれちゃったのかなあとか、いろいろ考えたんだけど、ああ、やっぱりダメなのかなあとか、ちょっと落ち込んじゃって。というより、もういいや、って感じかな。プリプリ。
そうしたらこないだ、会えたんだよその店で。
オレ、最初は気がつかなかったんだけどね。向こうから「こんばんは」って言ってきてくれて。メールのことなんか全然気にしてない風で、全然悪びれてない感じ。まあ、そういうスタンスの人っているんだと、すぐに許しちゃったんだけどね(笑)。
でもさあ、そのコの隣に移って、いっしょに飲んだんだけど、オレ、緊張しちゃって、全然しゃべれなくなっちゃったんだよ。汗がびゅーびゅー流れてきちゃうし、いつもの面白トークのオレはどこに行っちゃったの、って感じ。どういうわけか向こうもあんまりしゃべってくれないし、当たり障りのない会話をぼそぼそっとして、それで終わっちゃった。あー、なにやってんだろオレ。
ああ、絶対、つまんない男だって思ってるよ。どうしよう。またメールして返事が来なかったら完璧落ち込んじゃうし。
ねえヨッチー、どうしたらいいと思う?
……延々とそんな話を聞かされ、ぐったりの夜でした。
しかし、天性の悪魔(笑)である私ですが、さすがに「うん、そのコね、他人のメアド聞くのが酒癖なんだよ。オレもそのコのアドレス、知ってるよ」という言葉は、喉元でぐっとこらえたのでありました。
しかし、オヤジの純情を踏みにじっちゃ、いかんぞ女子。
しかし、ひとに相談できる、愚痴を言えるってのは、大いなる救いであろうかと思います。
ところで、踏みにじられたのは王子自身? じゃないっすよね(笑)。
風待ちさんもあんまり相談できない方? オレもそのテの話、自分の話は苦手だったりします。
でもオヤジになっても恋は恋、ってことらしいですよ。どうです? 頑張ってみたら(なにをけしかけているのだ)。
まあ最後まで楽しませてもらったのでいいとするか。
でも最近、こういう経験がほとんどなくなりました。これを「心の老化」というのかもしれませんね。くわばらくわばら。
このお話、続きもので読みた~い。
でも、また書いちゃおうすな、リクエストにお応えして(笑)。