2016年 01月 04日
2015年大晦日、紅白ツッコミ歌合戦
一年で一番楽しみにして、これがないと生きている意味がない、ってくらいに思いを寄せている紅白歌合戦ですが、今回の視聴率はあまり芳しくなかったようです。
まあ、2015年はこれぞ、というヒット曲はありませんでしたし、出演者も、「幸子復活!」以外はサプライズ感にも欠けていましたから、まあそんなもんかなあ、という気はします。
しかし、人々の好みが多様化し、それに応じたコンテンツが豊富にある昨今、40%近い視聴率を叩き出す番組はほかにはありません。これからも、あまり「てこ入れ」だとか「見直し」だとか考えず、時代を代表するアーティストたちの晴れ姿を見せてほしいと、「昭和世代」を代表してお願いしたいところ、なのでございます。
今回、私にとって注目アイテムのひとつは、「黒柳徹子観察」です。
「徹子の部屋」を観ていない者にとっては、徹子の健在ぶり(衰えぶり?)を確認するに絶好の機会。みんなで手に汗握りながら観ていましたが、さすが大ベテラン、番組を急遽中止せざるを得ない状況までには至らなかったのはなによりです。
しかしまあ、徹子も80代。滑舌は悪くなりました。ふんわりとしたドレスの下に機械でも仕込んであるのかと思うような覚束なさを見ると、徹子と同年代の、ウチの母親のほうがずっと元気だなあ、徹子、頑張ってよと思わずにはいられませんでした。
若手のアーティストはほとんどスルーして(とりあえずは観てましたけど、おぢさんの琴線に触れたものはなし)、やはりこの人、石川さゆりです。
今年は「津軽海峡冬景色」の年なので、「天城越え」のときのような「鎌持って佇んでいる」ような表情は拝めませんでしたが、津軽三味線から歌へのバトンタッチという演出はとてもよかったです。「津軽」史上、最高だったのではないでしょうか。
幸子、復活です。「メガ幸子」は数年前にも登場していたのでそれほど新鮮味はありませんでしたが、「ラスボス」という新たな称号を得て、よりバージョンアップ、バックの映像も綺麗で、とてもよかったと思います。
できたら、ワイプで水森かおり嬢の顔でも抜いたら、なお感慨深かったかもしれません(笑)。
いや、今回の水森嬢はよかったですよ。やはり、ただ大きくなってドレスを広げていればいいってものじゃないと気づいたのか、同じことをやったって幸子の存在感には到底叶わないという危機感をもって臨んだからなのか、火の鳥に乗った衣装(セット?)はとてもカッコよかったです。
個人的には、Misiaのパフォーマンスはとても感動しました。
長崎の平和祈念像前からの中継というのも感動的でしたし、歌声も健在。ネット上では「いつも同じ印象」「砂漠で歌ったときのほうがよかった」などと言う声が多かったですが、私はとてもよかったと思いました。
こういう「熱唱型」の女性歌手の「寿命」はあまり長くはありません。いまのうちに思う存分Misiaを味わっておかなくてはならないのですよ。
この方も50を越え、「時」というものの残酷さを感じずにはいられません。まあ、自分も同じだけ歳とっちゃってるんですけれど。
それでも、まだまだ現役感を感じさせる歌声はあっぱれでした。当時、この人と同じような髪型をして、立派な「ゲジゲジまゆ毛」をあつらえ、マハラジャあたりでブイブイ言わせていたみなさん、どういう思いでテレビの前に座っていらっしゃるのでしょうかと、思いを馳せておりました(ウソ)。
森進一先生の、顔面の進化(退化?)を定点観測で観られるのも最後となりました。
これからは「年忘れにっぽんの歌」「思い出のメロディー」あたりで観測を続けていくのが、我々昭和世代の責務なのです。しっかりしなくてはなりません。
最後の紅白でのパフォーマンスは「おふくろさん」。いろいろな思いがあってチョイスしたのだと思いますが、個人的には「襟裳岬」のほうがよかったかな。作詞家がこの年に亡くなったし、絶対こちらを歌うと思っていたのですがね。
さて、大トリが聖子さん、というのが定番になりつつあり、それこそ時の流れを感じている我々昭和世代です。「マッチがトリを歌うなんて」夢みたいだか、ウソみたいだか忘れましたが、徹子が思わず漏らすのもうなずけます。
前回が「あなたに逢いたくて」、今回が「赤いスイートピー」。しかし彼女には「Sweet Memories」「瞳はダイヤモンド」「ボーイの季節」などなど、トリにふさわしい名曲がたくさんたくさんありますから、ここ数年は盤石でしょう。頑張っていただきたいものです。
しかし時々、通販番組で熊谷真実が出ていると「えっ、聖子?」と思ってしまうことがあります。これはいけません。再び(?)お顔をなんとかするか、熊谷さんになんとかしていただくしかありくせん。「大スター」と「通販番組」は両極端の位置にあるのですからね。
あいかわらず、昨今のアイドルさんには目もくれず、こうして、ベテラン勢の安定した歌いっぷりにだけ焦点を合わせ、我々の紅白視聴は過ぎていくのでした。まあ、昭和世代はみなさん、こんな感じでしたでしょう。また楽しみにしています。
早く来い来い、大晦日。