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編集王子

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Thank you !!!

朝のラビリンス

 どんなに腹立たしい夜を迎えても、どんなに切ない深夜を過ごしても、朝は誰にでも、まだ失敗のない「新しい一日」の始まりです。
 だからにこやかに、背筋をピン、と伸ばし、さっそうと出かけたいものなのです。
 そう、電車の中で急にお腹が……という緊急事態に陥ったとしても、会社に着く途中に、泥のように酔っぱらって歩いている人(すごく近しい知り合い)とすれ違ったとしても(笑)、その「フレッシュ、フレッシュ、フレーッシュー」な気持ちに揺るぎはありません、いや、そのようにしようと心がけている私なのであります。

 しかし、そのささやかな意気込みをもぶち壊してしまうような厄介な問題を、今、私は抱えているわけなのであります。

 それは、私が「ルンルンルン」と駅までの約10分の道のりを歩いていると、必ずといっていいほど「スタスタスタ……」という震度1くらいの地響きを奏でながら、ある女性が私を追い抜かしていくのです。

 最初は「ああ、遅刻しそうなんだな、慌てているのだな」ぐらいに思って、さほど気にも止めませんでした。
 しかし、その女性、いつも私を追い抜かしたあたりで急にその走りを止め、私のすぐ前をまるで何事もなかったかのように歩き始めるのです。
 必ずです。そう、必ず、です。

 しかし私は申し訳ありませんが「Tokyo迷子ウォーカー」の名を欲しいままにしている(誰もほかに欲しがっていない名前だと思いますが)人間、早歩きの名手です。以前新宿でウォーキングしているところを友達に見られ、「一心不乱という言葉は君のためにある言葉だ」という賛辞(?)をいただいたこともありました。
 ですから、そんなすぐ前を歩く齢40手前といった、くたびれたOL(大変失敬)の歩きなんかに負けるはずはありません。あっという間に、さりげなく、そして優雅に彼女を追い抜かします。

 するとその女、もとい女性は、またアクセルをふかしたかの如く、鬼のような形相で(顔は見ていないけど、そんな感じでしょう)ダダダダダッと走り始め、私を追い抜かしていきます。
 そしてまた私を追い抜いたあたりで走るのをやめ、歩き始めるのです。

 しかししかし、私も「Tokyo迷子ウォーカー」の名を……(以下略)、こんな女、またすぐに追い抜いてやります……というところで、その女性は私が抜き去る寸前でまたアクセル全開、それからは一気に駅までゴール一直線。
 私は負けてしまうのです。

 なんだか不愉快、気持ちのいい朝が台無しです。

 というか、その女性はいったいどういうつもりで私に戦いを挑んで来るのでしょうか。まったくもって理由がわかりません。
 「早く行かなきゃ電車に遅れちゃう〜。あっ、とりあえずあそこを歩いてるブタみたいなおっさんを抜かして……。よし、抜かした。……えっ、なにこのおっさん、追い抜いて来たわ。ちきしょー。走るわよ。……へへへっ、どんなもんよ、アタシの勝ちよ。ブタはブタらしくブーブー言いながら端っこでも歩いてなさい!」っていう感じなのでしょうか。

 いや、別に私はその女性と競走する気などこれっぽっちもないのですがね。でも、何度も同じことが続くと、さすがにこちらも疲れて、もうやめよう、オレが駅までの道順を変えればいいんだとひとり勝手に戦線離脱することに決めるのです。

 そう、自宅から駅までは、まるであみだくじの如くいろいろなルートがあり、その女性が出没する道を避ければ、平和な、いつものフレッシュ感を保ちながら駅に着くことができるわけなのです。

 そういうことで、ちょっと道を変えることにして、私に再び平和が訪れたのもつかの間、スタスタスタッと今度は忍者のように足音を立てずに私を追い抜いていく新たな刺客、違う女性が現れたのでした。

 なんだよこのあたり、「走る女」揃いの街かよ〜。さすがに私も唖然としてしまいました。
 やはりその女性(やはり40手前といったくたびれたOL風。重ね重ね失敬)も、私を追い越したあたりで走るのを止め、私のすぐ前を歩き、当然の如く私は女性を抜き去り、すると意地になって女性がまた抜き返す、という構図はそのままなのです。
 腹立たしいというかなんというか、これって私だけが受ける罰ケームのようなものなのでしょうか。

 まあ、走られようと抜かされようと、気にしなければいいだけの話なのですがね。
 しかしこちらも毎日万歩計を持って、きょう何歩歩いたな、しかしそのうち「しっかり歩き」は何歩だぞ、お前もっと早く歩けなどと万歩計さんに言われている毎日なので、ぐうたら歩きなどもってのほか、という事情もあるのです。

 ……という毎日を過ごしているうちに、私も疲れ果ててしまいました。さすがに駅を変えることはできないので、私は、この二人の女性に会わないルートを必死に考え、いつもきょうはこのルート、きょうはこっちのルートと、それこそあみだくじのように駅までのラビリンスを必死にさまよっている、という毎日を選択することにしたのでした。うん、それが精神衛生上一番、のようです。

 しかし、ちょっと油断すると、「走る女出没地帯」という危険なルートを彷徨っていることに気がつくことがあります。すると、やはり後ろからスタスタスタ……という不気味な足音が! 助けて!

 今度抜かされたら、駅まで全速力で走ってやろうかと、本気で思っている私なのでした。
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by yochy-1962 | 2012-06-02 00:12 | ひとりごと | Trackback | Comments(4)
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Commented by 桜えび at 2012-06-02 10:55 x
こんにちは。お久しぶりです^ ^

なんか昔のコメディー映画を見ているようですね(笑)。
その様子をビデオで撮ってYou Tubeで流せば大ヒットかも!

その2人の女性・・実は同じ人では・・。yochyさんに気があるのか、弟子になりかいかではないのでしょうか?

今度遭遇して抜かれたら、バッと服を脱ぎ淳子さんの「ミスティー」
の衣装となって抜き返してやって下さい(爆)。
たぶんグーの根もでず、歩みを止めるでしょう^ ^ /
Commented by yochy-1962 at 2012-06-02 18:04
桜えびさん こんにちは。元気ですか!
淳子の「ミスティー」の恰好ですか……(苦笑)。確かに歩みは止まるだろうけど、オレがお縄、だな(笑)。
Commented by kurashiki-keiko at 2012-06-11 17:15
すごい。どちらも負けず嫌いなんでしょうか。
ちなみに私、朝の田舎道を通勤しておりますと、後ろから
男性に追い抜かれたことがありましたが、
「チャック開いていますよ」・・・
スカートの後ろのチャックが下りていたのを注意されまして。
赤っ恥でしたっけ。
Commented by yochy-1962 at 2012-06-11 23:15
kurashikiさま そうですねー。ホントはオレ、そういうことに全然気がつかない人でありたかったんですけれどね。
負けず嫌いかあ。もうちょっと違うところで発揮したいなあ。

by yochy-1962