2010年 08月 05日
BCG
フォトショップというコンピュータソフトを駆使すれば、シワをとる、ニキビ、吹き出物等を消し去るなんてのは朝飯前、ウエストや腿を削ったり、タトゥーなんてのもなかったことにしてくれるのですから、もうこれは、グラビア限定アイドルならば、このオレにだってできるといっても過言ではない世の中といえるのかもしれません(すみません、過言でした)。
それにしても、テレビの世界は「ハイビジョン化」だとかで、どんどんお肌の状態は露に、しわも克明に映し出されてしまう昨今だというのに、紙媒体と映像媒体は全く逆の方向に行っているような気もします。まあ、妙齢以上の女優さん向けに、すでにハイビジョン対応のメイク道具というものが開発されているのかもしれませんが。すでに「幸子ひと安心」、の状態なのかもしれません。
で、先日、某有名女優さんのグラビアのゲラをチラチラ覗いていたときのこと。
「シワトル」「シミトル」「肌色もっと明るく」なんていう指示を、仕事仲間と「……なっ」と、にやにや笑いながら見ていたのですが、そんな指示と共に、「BCGの跡トル」なんていう指示もあり、えーとこれも取らなきゃいけないのかなあと思ってしまったのでした。
だってBCGの跡なら、ある程度年齢を経た人ならもれなくあるはずです(若い子はどうなのか、おぢさん全くわかりませんが)。特に恥ずかしいとか醜いとかではないはずなのに、どうして取っちゃうのかなあ、なにもないすべすべした肩のほうがかえって不自然なのになあ、というより、ほくろとかしわもそうですが、こういったリアルな佇まいというのか、本人的には見せたくない、と思っているような部分に、読者はグッとくるものなのではないかと思ったわけなのです。
シミひとつない、まるで人形のような肌を見て、んーいいね、そそるねえなんて言うのはかえってマニア、好事家だと思うのですが、いかがなものでしょうか。
そういえば、BCGの跡といって思い出すのは、山口百恵です。
え、どうしてBCGというと百恵ちゃんなの? と思った方は、かなり若いか、あまりグラビアを見て来なかった人だと思います。同時代を生きてきた方ならわかると思いますが、篠山紀信が撮った百恵ちゃんのグラビアには、二(ふた)の腕親方顔負けの二の腕をした百恵ちゃん(笑)の肩に、くっきりとBCGの跡が、隠すこともなく、まるで強調されているかのように残されていたのでした。それがとても印象的でもありました。考えてみたら、淳子ちゃんのグラビアでは、あまりBCGの跡というのは印象に残っていないのですが。まあこれは、コアな淳子ファンに言わせれば異論があるかもしれないので、あまり深く突っ込まないようにしておこうと思います。
百恵ちゃんの写真は一貫して篠山紀信が撮っていたと思います。篠山紀信というカメラマンは、普段なら見せたくない、隠したいと思うような箇所をあえてフューチャーし、魅力に変えてしまうことが得意なカメラマンでした。
で、百恵の厚ぼったいくちびるをあえて強調し、それを「リアル」なセクシー、に変換することに成功したのだと思います。BCGの跡も同じ。こういった夢とかの世界とはかけ離れた現実の世界を敢えて強調することで、百恵ファンはより身近に百恵を感じ、百恵は「擬似彼女」としての役割をはたしていたのかもしれません(あくまで想像ですが)。そういえば淳子ちゃんのみならず、それまでのアイドルのグラビアって、そういうリアル感ってあまりなかったのかもしれません。
まあ、淳子ちゃんに関しては、バツグンに可愛かった彼女ですから、あまりいろんな小細工とか、物語作りとかを考える必要もなかったのかもしれません。しかし、結果的に、物語を伝説にまで昇華させた百恵ちゃんのスタッフはやっぱりクレバーだったなあ、可愛さだけに頼ってしまった淳子ちゃんのスタッフは怠惰だったなあ、といまでも私はブチブチ思っているわけです。
いや、淳子ちゃんのスタッフも、彼女をあそこまでのスターに仕上げたのですから、とても優秀であったということは前提として申し上げているのですがね。
で、話は思い切り逸れましたが、BCGの跡を消した女優さん、どちらかというと百恵テイストの、美しさで売っているのではなく、はすっぱな(失敬)、リアルな女子像を全面に出してのし上がってきた女優さんなので、どうしてBCGの跡を消したいのか、いまひとつ理解に苦しむところではありました。
そんな話を知人にしたところ、「ほら、マライア・キャリーにしてもフレオ・イグレシアスにしても、こっち側からしか写真撮らせないとか言ってるのがあるじゃん、端から見たらどっちも同じなんて思うんだけど、それと同じなんじゃん」なんて答えが返ってきました。
なるほどねえ、こだわりというのはなかなか強固なもので、その女優さんも、BCGの跡だけは出したくない、昨日ダニにかまれた跡ならどんなに見せたって平気だけれども、なんて思っていたのかもしれません。
考えてみたらオレも、帽子を取った写真は決して撮らせませんものね(笑)。
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淳子さんの名前がでてきたので・・(笑)。
僕はBCGはうってないんですよ。だから痕もありません。淳子さんもうってないんじゃないかな?
おっと、コアなファンの人から異論が出ちゃいそうなのでここはサラっと流して下さいまし。
淳子さんは秋田美人ですが、どこかのサイトで淳子さんの顔写真を加工して、左半分を裏返して右半分にして付けた顔と、右半分を裏返して左半分
にして付けた顔を検証している所がありました。
どちらも良かったですが、片方はややきつい感じでもう一方は優しい顔でした。
一度ためされては?(淳子さんへの冒涜でしょうか?)
たしかどちらかは建前の顔で、もう一方は本音の顔っていうのを聞いたことがあります。
淳子ちゃんの顔は「シンメトリー」ではないので、そういう加工をすると、ちょっと印象が変わるかもしれませんね。冒涜とは思わないけれど、あんまり興味がないかな。
今度BCG自慢大会をしましょう。優劣はどうやって決めるのかはさておき(笑)。
わが子たちもBCGは受けたけど跡はな~んにものこってません。それで子供達にも『これ何?』ときかれます。
ところでフォトショップで何もかもとってしまえばよいってもんじゃないですよね、ほんとに!
ではまた~
そう、最近のグラビアは、みんな人造人間状態、美しい景色の写真集も「どうせ修正してるんだろ」と、心から楽しめなくなってしまいました。美しい写真を見て、実際にその場所に行ったりするととてもがっかりしたりもしましたし。
「アンチフォトショップ」みたいな写真家による写真集があったら見てみたいものですね。