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編集王子

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さかなコンプレックス

c0135618_232308.jpg ずっと昔、いっしょに仕事をしていた、グルメでバツイチの社長さんに可愛がられ(っていうか、いわゆる接待、ってヤツだったのですが)、仕事が終わると決まって、カンヅメになっていた赤坂のレコーディングスタジオ(なんだかミュージシャンみたいですが、英語の教材を作っていたのですよ。このオレが、とお思いでしょうが)近くの「ちょっと高そうな」料理屋さんに連れて行ってもらったものでした。

 ある日、赤坂の「居酒屋以上、料亭未満」というような店に誘われ、いままで食べたことがないような贅沢な料理をいただき(舞い上がって何を食べたのかも覚えていないほど)、その店の女将にぴったりとくっつかれ、蟹の身を全部ほじってもらったりして、まるで殿様にでもなったような気持ちで食事を堪能していたのですが、「で、魚は何を食べる? 好きなのをおっしゃいなさい」と言われた私は、途端に「うっ」と一瞬箸が止まってしまったのでした。

 そうです。私、自慢じゃないけれど人前で魚を食べるのが大の苦手。刺身だとかアジフライとか、別にただ口の中に放り込めば済む魚は大丈夫なのですが、小骨がいっぱいあって、華麗な箸さばきが要求される焼き魚などは、食べるのがなんとも難儀で、いつも魚さんをぐっちゃぐっちゃにしてしまい、最終的にはめんどくさくなって食べたらおいしい部分もすっかり残してしまうという繰り返しなのです。

 で、「どうしよう。ここでオレの育ちの悪さが暴露されてしまう」と危惧を抱き、なるべく食べるのが簡単な魚はなんだろう……とオーダーしたのが「サバの塩焼き」(笑)。料亭がいきなり「定食屋」に早変わりです(まあ、サバだって高級なものはとことん高級だったりするのですがね)。
 女将は「えっ、そんなのでいいの? 鯛も鮃もあるのよ。サバ、でいいの?」と念を押され、私は引きつった顔をしながら「はい、サバが大好きなんです」と答えたのでした。まあ、ぶりの照り焼き、でもよかったのてすがね、あれも食べるのは簡単だし、今思えば。

 親友のJちゃんは、最近はメールをしてもめったに返事をしてくれず(まあ、目が「セカンドステージ」に突入してからは、細かい字が見えにくくなってメールもおっくうになってしまったのだと思いますが。笑)、「ちぇっ、なんだよ」と思う今日この頃ですが、「魚を食べるのがめっちゃくちゃ上手」という点で、それだけで尊敬に値する友人です。
 以前、いっしょに「鮎の塩焼き」を食べていたのですが、Jちゃんは見事な箸さばきで、あの小骨だらけで食べにくい鮎を綺麗に、上品に食べてみせたのでした。頭の部分と骨だけになった魚を見て、これはもう芸術の域に達しているのではと思えるほど、見事なものでした。
 私といったら、なんとか上手に食べてみせるぞ、と一生懸命に箸を動かしてみたものの、やはり途中で挫折。あっちこっちに散らばった魚の身とこなごなになった骨を見せるのが恥ずかしくて、思わずナプキンでその「残骸」を隠してしまったのでした。ああ、まるごと頭から食っちまった方がよかったなあと思うほどでした。

 私の場合、魚を食べるのが苦手、というより、「箸の使い方」があまり上手でない、というのが正しいのかもしれません。ウチの親は、私に箸の使い方を教えるよりも先に、一族の中に誰もいない「左利き」として生まれてきた私を大いに憂い(まるで悪魔の子扱い)、なんとかして右利きに「矯正」することばかりに力を注いできたため、箸の使い方を教えることまで頭が回らなかったのでしょう。仕方がないと行ったら仕方がないのかもしれません。
 「箸はね、こうやって持って、ここだけを使って、ほら、こうすれば細かいものもつかめるでしょう」……ときどき、箸遣い自慢の方からレクチャーされたりするのですが、どうやっても私、上手に箸を使うことができません。中指の「ペンだこ」に箸を固定させて、なんともみっともない格好で、隠れるようにして魚をつついている毎日。人前ではなるべくサンマなど小骨の多い魚は食べないようにして、なんとか上品な王子の面子を保っている、という毎日なのです(ホントに保っているかどうかはわかりませんが)。

 今日のランチは「サバの塩焼き定食」でした(写真はネットからの拝借物)。うん、サバなら小骨も少ないし、なんとかお上品に、魚をぐっちゃぐっちゃにしなくても食べることができます。これなら安心です。
 しかし、ふと横を見ると、エリートなサラリーマン風のオジさんが同じサバ塩定食を召し上がっていたのですが、これが、まるで幼稚園児顔負け、といった感じの、豪快な、というか、きったなーい魚の食べ方を披露されていたのでした。魚の身の、一番食べやすい部分だけほじくって、別に悪びれる様子もなく、優雅にお茶などすすっておいでになります。

 「うーん、オレもあんまり気にしなくていいのかなあ」と、一瞬思ったのでした(苦笑)。平成の世の中だし(なんでだ)。
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by yochy-1962 | 2009-12-10 02:31 | グルメ | Trackback | Comments(4)
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Commented by K at 2009-12-10 02:57 x
どもども気にはするべきです。

突っ込まれたら本当は右利きで左に直されたとかいつもお手伝いさんかお付きのひとがばらしてくれたからっていえば〇

知り合いでどんな魚でも骨をバリバリと全部食べてしまう食人族みたいなひとがいます。頭だろうが背骨だろうが人の残り骨もバリバリとそれはそれでかなり気持ち悪いです。

でも全部食べられちゃったらアラ汁とか飲めなくなってしまいますよね
Commented by のり☆ at 2009-12-10 07:41 x
すり身の国生まれだからかしら…(^_^;)実は自分も子供の頃から魚はすでにてんぷら(さつま揚げ)か竹輪になっていたので魚の食べ方がめちゃめちゃ汚いです。自分の場合は皮が苦手なんですけどね。
Commented by yochy-1962 at 2009-12-10 10:41
Kくん そう、いつも魚はばあやが食べさせてくれていた、なんてことも言ったこともありましたが、さすがにこの歳になるとドンビキ、だよねー。三島由紀夫は魚を豪快にバリバリ食う人らしかったけれど、案外細かいことができなかった人だったのかもね(笑)。
Commented by yochy-1962 at 2009-12-10 12:12
のりさま すり身の国の生まれ、ってのも関係あるのかな。確かにいわしなんかは黒はんぺんにして食べたほうが確実に多かったなあ。
魚の皮? オレの場合、苦手とか言っている間に、皮だか身だかわからないくらいぐちゃぐちゃになってしまいます(苦笑)。

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