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編集王子

隠れた名曲・昭和歌謡 その23 黛ジュン「風の大地の子守唄」

 私が高校生の頃は、当然CD(コンパクトディスク)なんてものはなく、バリバリ「EPレコード、LPレコード」の時代でした。
 レコード盤ってのは繊細な代物で、傷がついたり、変に湾曲してしまったら命は終わりですから、ちゃんと縦にするか、真横に置いて保存しなくてはならず、聴くときは針が飛ばないように、じっとその場に佇んで、決して踊ったり騒いだりラジバンダリ(もう古いか)してはいけなかったのでした。いわば、レコードを聴く時間というのは、ある種「儀式」のような時間といっても過言ではなかったと思います。

 その代わり、レコード盤はビニールでパッキングされていないため、お願いすればレコード店で「試聴」もさせてくれたのでした。少ないお小遣いの中からレコード代を捻出するのですから、購入に関して失敗は許されません。試聴はそりゃもう真剣な作業です。
 まあ、淳子ちゃんとかアース・ウインド&ファイヤーなどのレコードなら、試聴などせずに購入していたのですが、「黛ジュン」のように、さすがに即購入することはできない「未知の」アーティストについては(いや、私ぐらいの年代にとっては、ということですね)、そのようにして購入するか否かを決めていたものでした。

 ……っていうか、黛については最初から購入するつもりなどなかったのですがね。当時、映画の主題歌ということでCMで流れていた「風の大地の子守唄」を、ただ全部聴いてみたい、という軽い気持ちで試聴したいと願い出たのでした。確か高校2年の終わりごろだったと思います(そんなことせず勉強しろってか)。

 その前の年、ジュディ・オングの「魅せられて」がブレイクした影響を受けたのか、「ワールド歌謡路線」の二匹目のドジョウを狙った感がある曲なのですが、残念ながらいまひとつパッとせず、どちらかといったらその次に出た「男はみんな華になれ」のほうが売れてしまったのでした。とてもいい曲だったのですがね、なかなか現実は、思惑通りにはいかないものです。

 で、試聴させていただいた私と友人ですが、最後のところで見事にレコードの針が飛び、延々と「♪ゴーアローン ユーアーフリー」が続いてしまったのです。
 店員があたふたとレコードを停止している間に、悪魔2名はフフフと笑いながら、その場を逃げるように立ち去ったのでした。まあ別に悪いことをしたわけじゃないんですけれどね。

Commented by SAD at 2009-06-23 22:32 x
映画では「ちあきなおみ」が歌っていたけど、レコード会社の契約関係で「黛ジュン」がレコード発売をしたと言う記憶が…
Commented by yochy-1962 at 2009-06-25 02:20
SADさま ちあきなおみのカラオケで「風の大地の子守唄」があるんですね。だから「ああこの歌はちあきも歌っていたんだ」ということは知っていたのですが、もともとちあきなおみの歌だったんですね。どうも情報ありがとうございます。
by yochy-1962 | 2009-06-17 22:43 | 音楽 | Trackback | Comments(2)

Thank you !!!

by yochy-1962
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